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ブラック・ミラー 3-5【虫けら掃討作戦】のネタバレと感想

1話完結のSFオムニバス作品「ブラックミラー」。今回は前話とはがらりと雰囲気の変わった、血なまぐさい作品です。

以下、ネタバレになりますのでご注意ください。

目次

ブラック・ミラー 3-5【虫けら掃討作戦】

虫けら

時は近未来、この世界には”虫けら“と呼ばれる生き物が存在する。化け物のような見た目をした虫けらは、遺伝的な欠陥により病気を発症すると言われている。

虫けらにより村が荒らされたことにより、軍人のストライプは初の”虫けら狩り”に出動することに。戦闘の末、ストライプは虫けらを仕留めるが、虫けらの持つ緑色のライトを目に浴びてしまう

初の狩りで2匹の虫けらを仕留めたストライプは周りから賞賛されるが、ライトの光を見てから頻繁に頭痛がするようになり、ストライプは軍医のアークエッドの元を訪れる。ストライプら軍人の頭には”マス・システム“と呼ばれる戦闘システムのチップが埋め込まれているが、アークエッドは特に異常はないという。

戦闘システム

翌日、ストライプを含めた少数メンバーで虫けら狩りに向かうが、突如仲間のひとりが銃撃され、ストライプらが劣勢に。仲間のレイマンと共に虫けらのいる建物の中へ侵入すると、突如軽装の女性がバットを振り回し襲いかかってくる。

女性を落ち着かせ、逃がすストライプ。が、無情にもレイマンがその女性を撃ち殺す

虫けらの隠れ家を見つけ、大勢の虫けらを銃撃するレイマン。しかしレイマンが虐殺しているのはみな、紛れもなく人間の姿をしていた

人間を殺すなんてどうかしてる!」とレイマンに襲いかかるストライプ。「奴らは虫けらだぞ!」とレイマンは抵抗する。

揉み合いの末、レイマンは意識を失い、ストライプは怪我を追うがなんとか立ち上がり、闘争に巻き込まれた親子を連れて外へ。運転中に意識を失ったストライプは、親子が生活している洞穴のような場所で目を覚ます。

「私が虫けらに見えないの?」と話しかけてくる女性。その女性の話によれば、ストライプたち兵士に埋め込まれているマス・システムが、一部の人間を虫けらの姿に見せているとう。

すべては10年前、DNA検査の末に、遺伝的な欠陥を持つ彼らの人種は根絶やすべきだとこの戦争は始まった

そして”虫けら”と呼ばれる側は、兵士のシステムを妨害するためのライトを作っていたという。あの日ストライプが浴びた光に間違いなかった。

あまりに衝撃的な話に驚きを隠せないストライプ。そこへ銃を片手に侵入してきたレイマンが女性を撃ち殺し、ストライプを殴り気絶させる。

真実

軍の施設に隔離されたストライプの元へ、軍医のアークエッドがやってくる。君のマス ・システムの故障を見逃していたと謝罪するアークエッド。

かつての戦争では、兵士はみな人を撃つことができなかった。しかしマス・システムの登場により、人の姿を化け物に見せ、聴力や嗅覚を制限することで、人は躊躇いなく人を殺せるようになったとアークエッドは続ける。

「ただの虐殺だ」と怒るストライプに、アークエッドはシステムをリセットし全ての出来事を忘れるか、監獄行きかの選択を迫る。「システムを外せ」と言い張るストライプに、アークエッドはストライプのシステムを操作し、システムがなかった場合の過去の映像を見せつける。

映し出されたのは、ストライプが初めて虫けら狩りに出た日。あの日ストライプが化け物に見えていたものは、自分たちと同じ人間だった

怯え、悲鳴を上げる人々。人間の男性に何度もナイフを突き刺す自分の姿。

ストライプは床に倒れ込み、涙を流すのだった。

軍の車に送迎され、自分の家へ帰るストライプ。家の前に立つと、愛する女性が自分の元へ駆け寄ってくる。

虚ろな目をしたストライプが、無人の空き家を前に涙を流しているシーンで物語は終了する

感想

前話サン・ジュニペロの世界とは打って変わって終始どんよりとした雰囲気の、ある意味ブラックミラーらしいといえばらしい作品でした。

イマイチ理解しきれなかった部分も多いけど、自分なりの考察を…。まず”虫けら”というのは遺伝的な欠陥を持ちつつも列記とした人間だった

遺伝的な欠陥で病気が発症しやすいと序盤描かれていたので、簡単な話彼らの病気がうつるのを恐れての戦争なのかと思ったら、後半まさかの発症する病気はガンだとか知的障害だとか人にうつるやつじゃないやつで普通にえ?ってなりました…。

その他にも彼らはDNA的に犯罪率が高いとか、「俺らの後世を守りたいだろ?」的な理由で、本当に恐ろしいなと。「コイツらは自分たちと違うから始末」というのは、ただの”迫害”ですよね…。

その”迫害”を何の躊躇いもなく執り行ってもらうためのマス・システム。ターゲットとなる人間が化け物の姿に見え、言葉は聞こえず血の匂いもしないから、兵士は罪悪感なく人を撃つことができるという最悪の戦闘システムです。

これは、じゃあ日本とどこかの国が戦争することになったら、敵国の人間がみんな化け物の姿に見えるということか。怖い。どれだけ遠い未来でも、この発想力があるならいつか実現してしまうのでは…?という発想が拭いきれないのが怖い。

このシステムはあくまで兵士に頑張ってもらうためのシステムなので、システムが見せる幻影はこれだけじゃない。

このネタバレではラストにしか出てこなかったストライプにとっての愛しい女性。作中かなりR18な見た目で何度か登場するんだけど、初見の時はてっきりストライプの奥さんか彼女なのかなと思っていた。

2回目に見た時やっとわかったんだけど、この女性もマス・システムによる幻想でした。ものすごくざっくり言うと軍が用意してくれたバーチャル彼女です。

ラスト、帰還したストライプが見ているのも幻想。ストライプの目には綺麗な家に女性の姿が見えているけど、実際は無人の荒れた空き家でした。

結局ストライプは現実を受け入れることに耐えられず、システムを外すことは出来なったというオチでした。

全体的な感想としては、私は初見の時意味のわからない部分が多かったので再鑑賞したけど、正直あんまり何度も見たくなる作品ではありません。再鑑賞する時、めちゃめちゃ気持ち重かった…。

ブラックミラーを見ているとこれは性別によって好き嫌い別れるんじゃないかな〜と思う作品が多々あるんだけど、これは女性があんまり好きってタイプの作品じゃないことは確かです。ゾンビもののバトル系が好きな男性とかだったら、もしかしたら楽しめるかも。

あと余談ですが、作中出てくるレイマン。男性っぽい名前で実は女性なんだけど…パッと見からそうやないの?と思って調べたら案の定そうだった、オレンジイズニューブラックのトリシア

彼女はこういう男気のありすぎる役が似合うんだな〜と思って画像検索したら、ものすごい綺麗な女性でびっくりしました。

ブラックミラーは1話完結なので、いろんな女優さん俳優さんの発見が多いのも楽しみの1つです。

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