ネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。
作品情報
予告動画
キャスト
クリスティン・ミリオティ
ジェシー・プレモンス
ジミ・シンプソン
ブラックミラー シーズン7 6話 “宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ”のあらすじ
インフィニティの中で
数年前、天才プログラマー ロバート・デイリーが作り出したオンラインゲーム「インフィニティ」の中に、彼の違法な手段でコピーされたナネットたちの意識が閉じ込められた。デイリーの死後、ゲーム内のナネットたちは、他のプレイヤーの「クレジット」を盗みながら必死に生き延びていた。
現実世界では、デイリーの死から数ヶ月が経過していた。ナネットは依然としてカリスター社で働き続けていが、ある日を境にすべてが変わる。
もうひとりの自分
カリスター社のCEOであるウォルトンのもとに、ある記者がやってくる。
彼は「インフィニティ」内で横行しているクレジット強盗事件と、かつてデイリーが秘密裏に使用していた“デジタルクローン生成装置”の疑惑を追っていた。記者の指摘は鋭く、ウォルトンは焦りを隠せない。
一方、ナネットは強盗事件の調査を担当することになる。強盗に襲われたプレイヤーのログ映像を見て驚愕するナネット。そこには自分自身そっくりの姿が映っていたのだ。
すぐにナネットは悟る。あれは、かつて「宇宙船カリスター号」の中に閉じ込められた、もう一人の“自分”だ。
コピーとの対面
ナネットはウォルトンに相談し、状況を収拾するためにはデイリーの自宅PCへのアクセスが必要だと考える。だが同じ頃、ゲーム内のナネットたちもまた、ある決断をしていた。彼らもこの無法地帯から抜け出すため、再び“外の世界”と接触しようとしていたのだ。
ゲーム世界では、かつて自ら犠牲になり宇宙の彼方に放り出されたはずのウォルトンが生きていた。ナネットは仲間たちと共に彼を捜索し、ついに漂流していた彼を突き止める。そこへ、現実世界のナネットとウォルトンが接触し─―。
暴走と真実
ウォルトンは「偽物を消せばすべて解決する」と考え、突如ゲーム内の仲間を一人撃ち殺すという暴挙に出る。衝撃を受けるナネット。
事態は急転し、現実世界でウォルトンの暴走を止めようとするナネットは、なんと車に轢かれ、意識不明の重体となってしまう。
ゲーム内では、ナネットがウォルトンから話を聞き出す。デイリーとの過去――若きウォルトンは、天才プログラマーだったデイリーを見出し、「インフィニティ」の開発を共に始めた。のちに手が足りなくなり、ウォルトンはデイリーのクローンをゲームのエンジン内に閉じ込めて働かせるようになっていた。
彼の意識は今もなお、ゲームエンジンの深部で孤独に“作業”を続けているというのだ。
孤独なクローン
ナネットは仮想世界のエンジン内に単身で乗り込み、デイリーと再会する。かつて彼女を支配し、弄んだデイリーだったが、そこにいる彼はまるで善人のようだった。ナネットは、彼に現実の死を告げ、協力を求める。デイリーは、ナネットとその仲間たちを「クラウド上の安全な場所」に移すと約束する。
だがその裏には罠があった。彼はナネットたちを助ける代わりに、ナネットのクローンを複製し、彼女を永遠に自分のそばに置こうとする。拒否するナネット。
口論の末、デイリーは彼女を襲い、ナネットはナイフで彼を殺害。すると、デイリーの“死”を感知したエンジンが自動的にゲーム世界の消去プロセスを開始する。
一方で現実のウォルトンは、クレジットを盗まれたユーザーたちを煽り、仮想世界のナネットたちを消そうと動いていた。時間がない。ナネットは最後の手段として、デイリーが託したディスクを作動させる。
そして意識は一つに
ディスクの作動により、宇宙船の仲間たちの意識は、クラウドではなく現実世界の“ナネット自身の脳内”に移った。ゲーム内のナネットは現実世界のナネットとして昏睡状態から目を覚ます。
現実世界ではゲーム「インフィニティ」が完全に消去され、ウォルトンは詐欺や横領といった数々の罪で逮捕される。
ニュース映像を、目覚めたナネットはベッドで笑いながら見つめる。その笑顔の裏では、仲間たちの笑い声が響いていた。
感想
カリスター号、再び
まさかカリスター号の続編があるなんて知らなかったのでびっくり。カリスター号は特に好きなエピソードなので、見つけた時はめちゃくちゃ嬉しかったです。
7シーズンに渡って制作されてきた中でも続編は初なので、シリーズ内でも特に反響が大きかったエピソードだったことがうかがえますね。
前作でデイリーが死亡してから数ヶ月後を描いたストーリーで、ウォルトン生存やデイリー再登場など胸アツ展開が満載でした!
前作でインターンだった彼が未だにインターンのままだったり、せっかく人間の姿に戻れたものの仲間が青い肌に戻っていたり、一瞬誰だっけ…?って仲間が増えてたり(前作で敵やらされてた人だっけ?)、小ネタも多くて今回も非常に面白かったです。
生きていたウォルトン
今作のハイライトといえばやっぱりウォルトンの復活!
前作でアルマゲドンの如くみんなの犠牲になったあのウォルトンが生きていたなんて、もう嬉しいのなんの。ゲーム内でも本物の方も、すっかりギャグ要員になっていて最高でした。
特に腰布姿で「ブツが見えてる」と言われた時なんか、本当にそれっぽいものが見えた気がしてヒヤヒヤしちゃいました。最後の頭ゴツンも笑えるし、それを仲間にネタにされてるのも微笑ましくて良い。
正直、ウォルトンを見たいがためにまだ続いて欲しい。
デイリーまた出た
登場した瞬間、心の中で「出たーーー!」と叫んでしまいました。といっても本体(?)は死亡していて、クローンも長い間ひとりきりの世界で仕事をさせられていて、なんか性格も善人っぽいし少し可哀想でもありましたが…。
でもやっぱりデイリーはデイリーで、クローンもナネットに対してねっちょりした好意を向けてきましたね。ナネットのコピーを作ってそばに置こうとして「変なことはしないよ!君が望まない限りはね」みたいなこと言うの、最高にデイリーって感じがしました。
結局いつもナネットに殺されるのもデイリーらしいです。
ハッピーエンド(?)
ラストはみんなでナネットの頭の中へ。自分の頭の中にみんなが越してきたと知ったナネット、最初は絶望していたように見えましたが、頭の中の仲間たちと同じ番組を見て盛り上がったり、最後はむしろみんなに出ていってほしくないようで、なんやかんやで楽しくやっているようでした。
ブラックミラーらしい、皮肉の効いたハッピーエンドという感じで良かったです。
この辺で終わるのがいいのでしょうが、個人的にはまだ続編が見たい…!