~ざっくり登場人物紹介~
ジョー:ニューヨークにある小さな書店の店長。ベックと付き合って別れてまた付き合う。
ベック:作家を目指す大学生。ジョーと付き合って別れてまた付き合う。
キャンディス:ジョーの元カノ。ジョーと別れて海外に逃亡した(らしい)。
↓いつも書いてる髭だるまってコイツです。名前はイーサンというらしいです。
「キャンディス!」
叫びながら、ジョーは目覚めた。嫌な夢を見た。
元カノのキャンディスが、半分顔が潰れた男といちゃついている夢だ。
隣を見ると、ベックが眠っている。ジョーはベックを起こして抱きしめてほしかったが、そのまま静かに眠りについた。
朝、2人は揃って朝食をとっていた。いつもと同じようだが、ベックは他愛ない会話から、さりげなくキャンディスの話題を引き出そうとしていた。
どうやら昨夜の叫びが聞こえてしまったようだ。
ジョーはなんとか切り抜けるが、ベックはきっとまた聞いてくる。
これは早々に、まずジョー自身がキャンディス問題を乗り越える必要がありそうだ。
ジョーは「雇い主のムーニーに会いに行く」と言って、ニックのセラピーを受けに行った。
ニックに事情を話すと、”それは君自身が前の恋人と向き合う必要がある”とアドバイスを受ける。
しかし、当のジョーは”そんなの御免だ”って様子。
ジョーにはそう思う理由があった。
話はジョーとキャンディスが出会うところまで遡る。
キャンディスは当時バンドを組んでいて、たまたま通りかかったジョーが楽器を運ぶのを手伝ったことから始まった。
ベック率いるビッチ軍団は、カフェでキャンディスのインスタを見ていた。
「冷たそうな見た目」
「ジョーの好みじゃない」
会ったこともないキャンディスへのディスりは止まらない。
しかしベックはあることに気付いていた。数年前まで溢れるほどの自撮りを上げていた彼女が、1年前からさっぱり更新していないことに。
3人が盛り上がっていると、突然リンが近くにいた男に声をかける。どうやら男はずっと3人のことを見ていたらしい。
「こっちくる?」というリンの言葉を、男は無視してそのまま立ち去る。「やっぱりね」とリン。
リンによると、その男はピーチの家族が雇った探偵で、ピーチの家族はベック達がピーチの死に関わっているのではないかと疑っているらしい。
リンとアニカは予定があると言って立ち去ってしまい、ベックだけが取り残された。ベックはひとりキャンディスのSNSを眺める。
すると、SNS上のキャンディスの友達に、ベックの知っている名前を発見。ベックはすぐさまその人物に会いに行くことにした。
「それについては話したくない」
髭だるまこと、ジョーの同僚のイーサンはそう言う。それでもベックは引き下がらない。
「二人の間に何があったの?」
ベックが質問を変えると、イーサンは渋々答えてくれた。
キャンディスとの間に”何か”があり、ジョーは一週間ほど姿を消していた。戻ってきてからは、8日間も同じスウェットを着て仕事をしていた、とイーサンは語った。
ジョーは天井の上の秘密の隠し場所から、紙につつまれたあるものを取り出した。それはかつてキャンディスにプレゼントした、「嵐が丘」というキャンディスお気に入りの本だ。
ジョーは同じ本をもう一つ用意して、傷んだページを新しいページと入れ替え、本の修理をした。
その間、ジョーはキャンディスとの出来事を思い出す。
キャンディスは浮気をしていた。”イライジャ”というプロデューサーの男と。
ジョーは修理が終わった本を、静かに値下げ品のコーナーへと置いた。
ベックは自宅に戻ってもなお、キャンディスのSNSを見続けていた。写真をみていると、いつか見たことのある女性が一緒に写っていることに気付く。
イーサンに続き、すぐさまその女性にも会いに行く。ピーチのパーティーで出会った、ジョーと知り合いだというあの女性だ。
「彼女、所属してるレーベルの男と浮気したらしいよ。それってすごくキャンディスらしいけどね。だけどその後突然、彼女は消えたの」
話によれば、キャンディスはそれから周りの誰とも連絡をとっていないらしい。
キャンディスには精神的な病に犯された兄がいるという。兄は失踪したキャンディスについて、ある説を語っていた。
その説とは、“キャンディスはもう死んでいる”というものだった。
ジョーはとあるビルの屋上にいた。ここでかつて、キャンディスの浮気相手であるイライジャと話をした。
「依頼人全員と寝るのか?」
問い詰めるジョーに、イライジャは「あの子に彼氏がいるなんて知らなかった」と言った。
知れて良かった、話してくれてありがとう。握手して、ここで終われば良かったんだ。
しかし去り際のジョーに、イライジャは言ってしまった。
「あの女は会った途端擦り寄ってきた。誰にでも股を開く女だ」
その場で足を止め、考え込むジョー。次の瞬間、ジョーは屋上からイライジャを突き落とした。
一方ベックは、SNS上でイライジャのことを見つけ、彼が死んだことも突き止めていた。そして、今度はキャンディスのただひとりの家族である兄の写真を見つける。
意を決し、キャンディスの兄が入院する病院に電話をかけるベック。しかし残念なことに、キャンディスの兄は半年前に亡くなっていた。
その夜、ついにベックはジョーにキャンディスの件を切り出した。
「もう気が狂いそう。一体彼女に何があって、彼女は今どこにいるの?」
キャンディスの知人であるマディに会ったこと、キャンディスの浮気相手であるイライジャが死んだこと、調べた限りのことをベックはジョーに話した。そこでジョーは自分が疑われていることを悟る。
「名前を変えてる」
ジョーはベックにSNSのアカウントを見せた。そこにはベックが見ていたアカウントとは違う名前で、キャンディスの写真がたくさん載せられている。
そしてジョーはこう続けた。
「キャンディスとのことがあった後、僕がどこへ行ったか教えてあげる」
ベックが連れられて来た先は、ごく一般的な民家だった。中へ入ると、年老いた女性と、同じくらいの年齢の車椅子の男性が出迎えてくれた。
彼こそが、ジョーの育ての親である”ムーニーさん”だ。彼は話すことも難しいらしく、ジョーの話す言葉にゆっくりとジェスチャーで返した。
「こうなったのは僕のせいだ」
ジョーはムーニーさんに聞こえぬよう距離を置き、ベックに話した。あの頃キャンディスのことで思い悩んでいたジョーは、しばらくムーニーさんを訪ねないでいた。
倒れたのが発見されたのはそれから2日後。ジョーが姿を消したという期間、本当はジョーはずっとムーニーさんの元で過ごしていたのだ。
ベックはジョーを抱きしめてこう言った。
「あなたのせいじゃない」
帰り道、ベックはずっとジョーの手を握っていた。暗い秘密を共有することで、2人の距離がもっと近づいたとジョーは感じていた。
しかし喜びも束の間、何やらベックの様子がおかしい。誰からしつこく連絡がきているのを、頑なに隠している。
「またブラウン大の友達?」
ええそうそう、と適当に答えるベック。しかしジョーはそんな友達など存在しないことを知っていた。
店に戻らなきゃ、とベックの元を離れるジョー。直感というのは、高確率で当たってしまうものだ。
ジョーはフードをかぶり、目の前に通りかかったある男に突然襲いかかった。以前ベックとの浮気を疑ったあのセラピストだ。
ジョーはニックのスマホを解除させ、電話やメッセージの履歴を見た。やはりジョーの直感は当たってしまった。
ベックはこのセラピストと浮気をしていた。
頭に銃をつきつけるジョー。暫しの沈黙の後、ジョーは静かにその場を去った。
「信頼がなければ何もない」
ベックの元に戻るなり、ジョーはそう切り出した。
「一度しか聞かない。君は現在、あるいは過去に、セラピストと寝たことはあるか?」
涙を浮かべながら、感傷的に訴えるジョー。しばしの沈黙の後、ベックは静かに「そうよ」と言った。
「確かに私はあなたを裏切った。でももう終わっているのよ」
浮気の理由を、ベックはこう話した。
「私はあなたを愛したように、他の人を愛したことがない。それに、まさかその愛が続くと思わなかったのよ」
うーん、何この言い訳。それ、結局ジョーと続くと思わなかったから他の男キープしただけやん…。
さすがにこれは浮気の理由にならないでしょう。
「もう一度言ってくれ」
え??
「愛してるわ、ジョー」
「僕も愛してる」
正にこういうのを茶番と呼ぶんですよね。もうそろそろ見るのやめてもええか?
翌日、ジョーは久しぶりにキャンディスの夢を見なかった。ベックに愛されていることを実感できたからだ。
目を覚ましたベックのために、朝食を買いに出るジョーさん。これは召使ですね。
焼き立てワッフルを待つベックの元へ、パコがジョーに借りた本を返しにやってくる。「ジョーに教えてもらった、秘密の隠し場所にずっと隠したままだったんだ」と、重大な一言を添えて。
おトイレで用を足したベックは、ふとさっきのパコの一言を思い出す。パコはトイレの天井の裏が秘密の場所だと言っていた。
ベックは出来心で、トイレのフタに乗っかり天井の裏を探ってしまう。あった。
それは小さな箱だった。箱を開けてみるとーー
ベックの服、下着、日記帳、あの日落としたはずのスマホ。
写真の中のキャンディスがつけていたネックレス、ベンジーとピーチのスマホ。
そしてガラスケースに入った、誰かの歯。
ガラスケースはベックの手から滑り落ち、ガシャンと音を立てて割れてしまった。
「戻ったよ」
ワッフル片手に戻ってきた優しい彼氏は、とんでもないサイコ野郎だった。
トイレから出られずにいるベック。大慌てでガラス片を片付けようとするが、指を切ってケガをしてしまう。
血まみれの指を隠し、平静を装って部屋に戻るベック。しかしジョーにケガを気付かれてしまう。
慌ててトイレ横の棚に絆創膏を取りに行くジョー。
彼は気づいてしまった。床に落ちていた小さなガラス片に。
ドアを開け、部屋から出ようとしていたベックをすんでのところで捕まえる。
ジョーの顔を見るベックの姿が、かつての恋人と重なった。
ベックが目覚めると、見覚えのある部屋にいた。ここはかつてジョーが「大切な場所だ」といって連れてきた、あの地下室の檻の中だ。
檻の外にはジョーがいる。大声で叫んでもジョーは微動だにしない。
絶望的な状況の中で、怒涛の第9話は終了。
ついにジョーのすべてがベックにバレてしまいました。
あの茶番からのこれだったからビックリ。しかもあの歯は一体何なの?
次話、ついにシーズン1の最終回です。どうなることやら。
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