~ざっくり登場人物紹介~
クレイ:ハンナのクラスメイトで元バイト仲間。ハンナが自殺した理由についてのテープを聞き進める。
ハンナ:自殺した転校生。自殺に至った”13の理由”をテープに録音して残す。
トニー:クレイの親友。ハンナにテープのコピーを託され、ハンナを苦しめた人物たちの動向を見守る。
オリヴィア:ハンナの母。遺品からリストを見つけ、ハンナがいじめにあっていたと疑う。
以下、ネタバレ大いに含みますのでご注意ください。
13の理由 シーズン1 10話 「カセット5:B面」
“シェリ・ホランド”
ショッキングな光景を目撃し、自力で家に帰る気力を失ったハンナ。気分が悪そうなハンナの様子を見たチアリーダーのシェリ・ホランドは、車で家まで送るとハンナに声をかける。
シェリは飲酒していたが、「全然大丈夫よ」と酔っていない証拠に側転をして見せ、ハンナも彼女の好意に甘える。しかし帰り道2人の乗る車は衝突事故を起こし、”止まれ”の標識を倒してしまう。
ハンナは通報しようとするが、怖気付いたシェリはハンナを置き去りにし逃げ帰る。1人残されたハンナは近くの店に電話を借り通報するが、既に他の誰かがにより通報があり、安心したハンナはそのまま家に帰るのだが…。
事態はこれだけでは済まなかった。その後同じ道を通ったクレイの友人ジェフは”止まれ”の標識がなかったことで車との衝突事故を起こし、帰らぬ人となってしまったのだ。
ジェフの車の中にはパーティーの為に買い出した酒が積んであり、事故の原因は”飲酒運転”として処理される。しかしジェフは飲酒していなかった。
親しい友人を失い悲しむクレイに「話したいことがある」と泣きながら話しかけるハンナ。ジェフと親しくもなかったのに泣いているハンナを見て苛立ったクレイは「いつでも悲劇のヒロインでいたいんだろ」とハンナを突き放すのだった。
償い
テープを聞いたクレイはシェリに「ジェフの家族に真実を話そう」と説得する。しかしシェリは自分なりに“過ちを償おうとしてる”といい、クレイに放課後来て欲しい場所があると告げる。
シェリに指定された場所へやってくるクレイ。そこはあの事故でジェフの車と衝突した相手の老夫婦が住む家で、奥には年老いた男性を支えるシェリの姿があった。
最初は真実を打ち明けるつもりでこの家を訪れたというシェリだったが、いざとなると言葉が出ず、何度か訪ねているうちに家の手伝いをするようになったという。しかしクレイの考えは変わらなかった。
1人でジェフの家にやってくるクレイ。クレイはジェフの両親に彼が飲酒をしていなかったこと、事故は標識が倒れていたせいで起こったという真実を告げる。
夜の公園で次のテープを聞こうとするクレイの元へやってくるトニー。次はいよいよクレイのテープだという。
「自殺は僕のせいなのか?」と問うクレイにトニーが「そうだ」と答えるシーンで第10話は終了。
感想
今回の主人公はクレイとキスしたチアリーダーのシェリ。ハンナに何かをしたわけではないものの、彼女のしてしまったことは予想よりはるかに大きかった。
これまで度々出てきたクレイの友人、ジェフ。現実パートに全く出てこないのを不思議に思っていたら、まさかこんな結末だったとは。
ハンナが通報した時、既に通報があったと聞いてハンナはシェリが通報したのかとひと安心するわけですが、通報したのは事故の第一発見者クレイ。この時既にジェフの事故は起こってしまっていたって事ですね。
悲しいのは、ジェフの車に酒が積んであったからといってただの飲酒運転による事故死として処理されていること。彼のご両親は息子が飲酒運転で亡くなったと思い込んでいるわけです。
そこでジェフのご両親に真実を伝えにいくクレイ。事故を目撃した時からここまで、クレイは普通の人が出来る範囲を越えて正しい行動をしており、立派です。
しかしクレイはこのテープで真相を知るまで、ジェフに対して怒っていました。パーティーで最後に言葉を交わした時、ジェフは「飲んでない」と言ったのに、飲酒運転でこの世を去ってしまったから。クレイはジェフが嘘をついたと思っていた。
ジェフが亡くなり落ち込んでいたクレイに声をかけたのは、意外にもアレックスでした。亡くなったジェフに怒っていたクレイに対し、アレックスは「今は悲しむより怒る方が楽かもしれないけど、今怒りしか感じなかったことをいつか悲しむ時がくる」という真実を教えてくれる。
そしてジェフの死因は飲酒運転ではなかったと知ったクレイは正にアレックスの言葉通りとなったわけです。嘘などついていなかったジェフに対して怒っていたクレイ、真実を知った時はさぞ辛かったでしょう…。
シェリは他のメンバーとは違い自分なりの償いをしており、ジェフの家族には今は無理だがいつかきちんと伝えたいと言っていたので、時間がかかっても自分の口から真実を話す時が来てほしいと思います。
他には学校側の弁護士として雇われたクレイの母レイニーが、ハンナの両親に20万ドルで示談を持ちかけるシーンもありました。20万ドルは日本円にすると約2千万円くらいで、あまりに少ない金額にハンナの両親は絶句。
その後クレイ母とハンナ母がトイレで遭遇しハンナ母が「あなたの息子の命はいくらくらい?」と問いかけ、クレイ母が「いくらなら十分なのか解らない」と答える、考えさせられるシーンもありました。
もしも自分が愛する人を何かのせいで失ったとしたら…やはりどんな金額を提示されても納得はできないでしょう。例え巨額であっても「それならば…」とはなりませんね。命を金で解決することは無理です。
次はとうとうクレイのテープとなりました。トニーが「僕のせいでハンナは死んだのか?」という質問にそうだと答えている限り、やはりクレイは何かをしてしまったのか…。
第11話に続きます。