~ざっくり登場人物紹介~
クレイ:自殺したハンナに恋していた少年。同級生のジャスティンと兄弟になる。
アニ:今学期からリバティ高にやってきた転入生。母親の仕事は介護士で、現在はブライスの家で暮らしてる。
ジャスティン:運動部の人気者でジェシカの元恋人。複雑な家庭環境で育ち、現在はクレイの兄弟に。
ジェシカ:美人のチアリーダーでジャスティンの元恋人。ブライスにレイプされた過去がある。
ブライス:金持ちの息子で運動部の人気者。ジェシカをレイプした罰を受け他校に転校するも、水死体となって発見される。
ザック:人気者のアメフト部員。ホームカミングの乱闘で大怪我を負う。
以下、ネタバレ大いに含みますのでご注意ください。
13の理由 シーズン3 12話 「事のいきさつ」
逮捕されるクレイ
トニーとケイレブの住む家に匿われたクレイ。これ以上迷惑をかけられないとこっそりと2人の家を出たクレイは、別れの挨拶のためアニの元へ立ち寄る。
アニは自分がアリバイになると申し出るが、クレイは誰も犠牲にしたくないと断り、2人はキスをして別れる。
その後、タイラーに電話をかけるクレイ。今日は付き添えないと言うと「今日だけは君にいてほしかった」と告げられ、クレイの心に迷いが生じる。
その日はヒルクレストの生徒も参加する合同集会の日。ジェシカはスピーチで過激なデモについて謝罪すると同時に、声を上げられない被害者、“サバイバー”の存在に気づいて欲しいと訴える。
ジェシカがサバイバーとして先導を切って声げると、次々立ち上がる他のサバイバーたち。タイラーは自分のために駆けつけたクレイの姿を発見し、勇気を出して立ち上がる。
ジェシカのグループ以外の多くの生徒も立ち上がり、その中にはタイラーと同じ男子生徒の姿も。ジェシカはジャスティンもサバイバーとして声を上げたことに驚く。
集会の後、クレイの姿を見つけ詰め寄るジャスティン。すると突然警官がやってきて、クレイをブライス殺害容疑で逮捕し、連行していく。
クレイを追いかけ、警察署にやってきたジェシカとジャスティン。サバイバーとして立ち上がったことについてジェシカが尋ねると、ジャスティンは幼い頃母親の恋人から性的虐待を受けており、路上生活している間も男性相手に売春していたと辛い事実を告白する。
売春は生きていくためにやった事だったが「まるで5歳の頃に戻ったみたいだった」と涙ながらに語るジャスティン。ジェシカは自分の事ばかりでジャスティンの苦しみに気づかなかったことを悔やみ、これからは互いに苦しみを分かちあっていくと誓い合う。
取調室でホームカミングの試合の日について尋問されたクレイは、密かにあの日の真相を思い出す。
クレイの真相
トニー、ケイレブと共にホームカミングの試合を見に来たクレイ。ここには来られないと言っていたはずのアニの姿を発見し後をつけると、そこにはブライスと親しげに話し、キスをするアニの姿があった。
アニを問い詰めると、彼女はブライスとの仲は誤解だと弁解するが、クレイの怒りは収まらなかった。
ジェシカのデモによりフィールドが大乱闘になると、クレイは乱闘に紛れ1人ブライスに突進していく。しかしジャスティンに引き剥がされ、ブライスの姿を見失う。
その後、ブライスと話すため家に向かったが、彼の姿はない。怒りのぶつけどころを無くしたクレイは、ブライスに「お前を殺す」とメッセージを送る。
ブライスが「話そう」とメッセージを返してくるも「話なんかない。死んじまえ」と畳み掛けるクレイ。
それから1時間もしないうちに、ブライスは命を落としたのだった。
被害届を出すタイラー
集会の後、モンゴメリーと仲の良いアメフト部員のチャーリーに話しかけられるタイラー。モンゴメリー本人から暴行の事実を聞いたチャーリーは、タイラーに自分が証人になると申し出る。
タイラーは申し出を受け、警察に被害届を出す。その後モンゴメリーはタイラーへの性的暴行罪で逮捕される。
自白するザック
「俺に将来はない」と、突然アメフト部を辞めるザック。その後アレックスを呼び出したザックは、自分がブライスを殺したと告白する。
ザックは警察署を訪れ、アレックスの父親を指名しブライス殺害の罪を自白する。
ホームカミングの試合の日、クロエがザックとハグしているのを目撃したブライス。ブライスがクロエに話しかけると、彼女から自分の子を妊娠、中絶していたと冷たく告げられる。
「ザックがずっと傍にいてくれた」とクロエの言葉を聞き嫉妬に狂ったブライスは、乱闘騒ぎの中ザックに突進し、足の骨を折る大怪我をさせる。
救急車で運ばれ、手当をされたザック。その後こっそりとブライスの後をつけ、埠頭にやってくる。
怪我により将来を奪われたザックは怒りを爆発させ、ブライスを一方的に殴りつける。手足の骨を折り、助けが呼べないようスマホを湖に投げつけ、身動きのとれないブライスを残して去っていたのだった。
話を聞いたアレックスの父は、ブライスの死因は溺死であり、川に落ちるまでは生きていたと告げる。ザックは暴行したが、ブライス殺しの犯人ではなかった。
ジェシカの元を訪れ、”人生最悪の出来事”としてブライスと寝ていた告白するアニ。アニは「あなたのも教えて」と思い詰めた表情のジェシカに詰め寄る。
その他の出来事
アレックスの薬を見つける父
アレックスの部屋から見慣れない薬を見つける警官の父。クレイに家宅捜索で見つかったステロイドについて「本当は誰のものなのか?」と聴取で尋ねるも一向に口を割らない彼の様子に何かを察する。
感想
ついに明らかになってきたブライス殺しの真相。
妙に大人しかったり挙動不審だったりと、今シーズン怪しさ満点だったザック。メンバーの中で1番最初に疑惑をかけられていた彼でしたが、やはり関わっていた。
クロエという動機もあるし、何だザックが犯人か〜単純だな〜なんて思っていたら一転、ザックは暴行だけで別にトドメを刺した人間がいると。何も終わってなかった。
ラストでジェシカを疑わせるような終わり方をしていましたが、ブライスが「何でお前がここに?」と言っているので、待っていたはずのジェシカでないことは確かでしょう。足元は男性のものっぽく、その後クレイやトニーなどの男性キャラクターに疑惑をかけるように映されていました。
ブライスがあそこにいるのを知っていたのはあの時点でジェシカだけ。とりあえず、ジェシカが真っ先に相談しそうなジャスティンはないかなと予想しておきます。
それにしても、ザックがブライスをボコボコに殴るシーンは痛々しい。将来を奪われたザックの苦しみももちろんわかるが、変わろうと努力していたブライスが自暴自棄になり、子供のように喚く姿は見ていて辛かった。
殴るだけでなく、動けないブライスにとって唯一の連絡手段であるスマホまで奪ったザックの冷徹さが恐ろしい。あの時のザックには少なくとも、殺意があったと思う。
誰かトドメを刺した真犯人がいるようだけど、あのまま放置されていればどちらにせよ同じ結果だったような気もします。
そして個人的にシーズン3最大の見せ場だと思う、タイラーがサバイバーとして立ち上がるシーン。男性のタイラーが性的被害を公にするのは、想像もつかないほど勇気がいることだと思います。
しかしタイラーが立ち上がったことが他の男子生徒が立ち上がる勇気になり、今までタイラーの身に起きたことを知らず部外者扱いしていたケイシーとも和解。そしてチャーリーが証言をすると手を差し伸べてくれたキッカケにも。
1人の勇気がたくさんの人に勇気を与え、互いに手をとりあえるという、希望に満ち溢れたシーンでした。サイラスと友達に戻れたのも良かった。
ジャスティンが幼い頃の性的虐待の描写はやけにリアルで、路上生活中もなんとなく予想はしていましたが、まさか男性相手の売春とは…。「5歳の頃に戻ったみたいだった」という台詞が全てを物語っていて、そんなに幼い頃から悲惨な経験をしていたのかと胸が痛くなりました。
ヤク中の母親、性的暴行、虐待、そして自らの薬物中毒…ジャスティンを取り巻く負の連鎖は多すぎる。お互い傷を負った者同士の恋には危うさも感じますが、苦しみを分かち合い助け合える関係性に発展することを願います。
それから忘れるところだった、クレイの逮捕。決定的な証拠がない状態で、こんなに簡単に逮捕に踏み切れてしまうものなのか。
クレイのホームカミングの日の真相は“ただメッセージのやり取りしてただけ”というかなりあっけないものでした。っていうか、ブライスから“おい話そう”って言われて“話したくない死んでほしい”って送ったその時点で拒否ってることに警察は気づいてる…?
そして何よりの衝撃、クレイこの時からアニとブライスがデキてるの知ってたやん…。
アニの下着を見せられた時、さもショックを受けたような表情をしていたからてっきり全く関係してないと思ってたのかと思いきや、しっかりキス目撃しとるやん。同じ家に住んでてキス止まりだと思ってたならこっちもびっくりだよ。
次回はついに最終話。
ブライスを殺した真犯人は誰なのか?
逮捕されたクレイの行方は?
続きは第13話へ。