ブラック・ミラー 4-3【クロコダイル】のネタバレと感想

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Black Mirror

1話完結のSFオムニバス作品「ブラックミラー」。今回はある罪を犯してしまった女性の物語です。

以下、ネタバレになりますのでご注意ください。

   

建築家として成功し、夫と息子と共に順風満帆な生活を送るミア。ミアが出張でホテルに泊まっていると、かつての交際相手だったロブが数年ぶりに会いにやってくる。

15年前の事件について話にきた」と言うロブ。

かつてミアとロブはクラブで飲酒した後ロブが車を運転し、ある男性を撥ね殺してしまったという過去があった。ミアは警察に通報しようとしたが、逮捕を恐れたロブは男性の遺体を湖に沈め、ミアも加担してしまう

事件のことは忘れようと努力してきたミア。しかし殺してしまった男性の妻が今も夫を待ち続けているという記事を偶然目にしたロブは罪悪感に苛まれ、匿名で罪を告白する手紙を送りたいと言い出す。

仕事も家庭も順調なミアはやめてと懇願するが、ロブは聞く耳を持たない。口論の末、ミアはロブに伸し掛り彼を殺害してしまう

   

ロブを殺害した直後、ふいにミアが窓を見下ろすと、道路でピザの無人配達車と歩行者との接触事故が起きていた。ミアの部屋と向かい側の位置に人が立っているのが見え、ミアは慌ててカーテンを閉める。

ミアはアリバイ作りのためルームサービスを頼み、部屋のテレビで有料のポルノ番組を再生する。その間ロブの遺体を外へ運び出し、建築現場のマンホールの中へ遺体を捨てるのだった。

   

数日後、ミアの元へあの夜起きた車と歩行者の事故の調査をしているシャジアという保険会社の調査員が訪れる。忙しいと断るミアだが、「断れば警察が押しかける」と半ば強制的に調査に協力させられることに。

リコーラー“と呼ばれる装置を使い、あの日のミアの記憶を映像に映して確認したいというシャジア。ミアは事故のことだけを思い浮かべるようとするが失敗し、あの日の殺人、そして15年前の事故の記憶をシャジアに見られてしまう

 
 
 
 
 
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「妄想癖があるの」と言い訳するミアだが、怖がったシャジアは逃げるように車へ乗り込む。ミアは車の窓を割り、シャジアの意識を奪うのだった。

   

目覚めたシャジアにリコーラーを装着し、尋問するミア。シャジアの記憶により、彼女が今日ミアの元へ訪れることを彼女の夫へ話したことが発覚する。

 
 
 
 
 
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泣き叫ぶシャジアをブロックで殴り、殺害するミア。そして彼女の車に乗り、ナビで自宅へと向かう。

ミアはシャジアの家へ侵入し、風呂に入っていた夫を襲って殺害する。これで証拠はなくなったと安堵するミア。

しかし家から出ようとしたミアの目に、幼い赤ん坊の姿が映ってしまう…

 
 
 
 
 
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シャジア宅に訪れる警察官。男性と幼い乳幼児が殺害された惨たらしい現場に、警察官は絶句する。

殺害当時の記憶を調査するため、警察官は唯一の生き残りであるペットのモルモットを押収する。

   

息子の学芸会へとやってきたミア。息子の歌う「なりたい自分になれたはず」という歌詞にミアが涙を零すシーンで物語は終了する

   



罪から逃れるため殺人に殺人を重ねていくものの、まさかのペットのモルモットから割り出されてしまう(であろう)という、ブラックミラーらしい皮肉だらけのラストでした。あのモルモットが全てを見ていたとしたら、ミアはすぐに逮捕されてしまうでしょう。

ラストでミアの息子が歌う「なりたい自分になれたはず」って歌詞そのもののストーリーでした。

   

冒頭でのミアは、飲酒運転を止めなかったという1つの罪を侵してはいれど「加害者」ではなく、事故もあくまで「不運な事故」といった印象でした。ミアはロブに止められなければ警察を呼ぼうと、すべき事は成し遂げようとしていた訳です。

しかし…問題はその後。不運な事故を隠すために、ミアは何人もの人を殺し、立派な殺害犯になってしまいます。しかも殺人の後、息子の学芸会にも顔出したりとちょっと普通じゃ考えられない神経。

人を殺す時も、戸惑いは見せつつもけっこう冷静なんだよね。ラストのモルモットに目撃されていたことは盲点でしたが、今私たちが生きる時代だったら完全犯罪だったんじゃなかろうか?

不運な事故により狂ってしまったミアの人生。でもあの時ちゃんと罪を償っていれば、ミアは同乗者として刑はロブよりも重くはなかったはずだし、何よりミア自身もここまで苦しむことはなかったはず。

やはり、罪はきちんと償わなければならないという事をつくづく考えさせられるストーリーでした。

   

世界観の面では、人の記憶を映像に映せる”リコーラー“という技術が登場しました。頭にチップを装着すると、画面にその人の頭の中の映像が映るというシステムです。

いわば、ドラレコの人間版みたいな。自分が事件を起こされた場合は有利ですが、自分が何かやってしまった時言い逃れ出来なないというちょっと恐ろしいシステムでもあります。

何が怖いって、これを保険会社っていう民間企業が扱っているところ!作中、元々は警察が扱っていたものを途中から民間企業でも扱えるようになったと言っていたけど…。

保険会社のシャジアはミアが協力を断ろうとすると「捜査への協力は義務なので警察が押しかける」と半ば脅しのように調査に協力させます。民間企業が警察の真似事までし始めたって事かな。これは怖い。

ブラックミラーの世界観では「これ未来本当にありそう」と思うものが多かったけれど、技術より人権侵害の面でこれは無さそうだなーと思いました。外国はわからないけど、少なくとも日本では考えられないね。

   

技術といえば、ピザの無人配達車っていうのもなかなかすごい!(人轢いてるけど)

車の側面にピザの収納場所が複数あり、取りに来た人が指定された番号を押すとピザが出てくる仕組みです。自動運転車は既に世の中にあるので、完全に無人は無理としてもこれはあるんじゃないか?

いちいちバイクで配達するより効率良さそう。

   

タイトルの「クロコダイル」に関しては数々の考察があり、私もさっぱりわからなくて色々読み耽りましたが、「crocodile tears(ワニの涙)」というワードから来ているのではないかなという説が1番しっくりきました。

これは和訳すると「そら涙」という意味で、さらに訳すと「いかにも悲しそうに見せかけて流す涙」という意味。大昔のヨーロッパで「ワニは獲物をおびき寄せる時涙を流す」という逸話からきているのだそう。

涙しながらも次々人を殺す、平たくいえば「偽善者」のような、ミア自身をクロコダイルに見立てての皮肉なのではないかなと思いました。