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【全話解説】ブラック・ミラー シーズン7のあらすじと感想まとめ

国内外共に大人気のネトフリオリジナルドラマ、【ブラック・ミラー】。
そんなディストピア×テクノロジーの世界観で毎シーズン話題を集める本作が、今年ついに待望のシーズン7を配信!

今シーズンも、現代社会を鋭く風刺しながら、ブラックユーモアやサスペンス、切ない人間ドラマまで盛り込んだ全6話が登場しています。本記事では、シーズン7全話のあらすじ&感想をまとめてご紹介。
ネタバレも含みますので未視聴の方は是非視聴してからご覧下さいね!

目次

ブラック・ミラー シーズン7 各話のあらすじと感想

普通の人々

平凡ながらも幸せな日々を送っていた夫婦マイクとアマンダ。ところがある日、アマンダが突然倒れ、最先端技術による“意識回復サービス”を受けることに。サービスは驚くべき成果を上げる一方で、高額な利用料や特殊な条件が課せられ、マイクたちの生活は次第に追い詰められていく――。
最新テクノロジーがもたらす“希望”と“代償”を描いた、切なくもリアルな物語。

感想(ネタバレあり)

このエピソードは、テクノロジーの進化がもたらす便利さと、それに付きまとう搾取構造への鋭い皮肉が見事。特に「CM強制プラン」や「アップグレード地獄」は、現代のサブスク社会そのものを風刺していてゾッとします。さらに、配信者として身体を張るマイクの姿は、視聴数至上主義に染まった現代人の姿を象徴。穏やかで“普通”な人々が、いつの間にか極限の選択に追い込まれていく様子が非常に胸に刺さる作品でした。

ベット・ノワール

食品会社で働くマリアは、ある日、昔の同級生ヴェリティと再会する。奇妙な偶然が続き、ヴェリティは職場に入り込んでくるが、彼女が現れたあたりからマリアの世界に“微妙なズレ”が生じ始める。記憶と現実が少しずつ食い違い、やがて彼女の生活そのものが揺らいでいく。目に見えない違和感がじわじわと日常を侵食していくサイコ・スリラー。

感想(ネタバレあり)

現実が書き換えられていく恐怖を、違和感の積み重ねで見せていく秀逸な構成。最初は些細な不一致が、やがて世界そのものを歪ませていく不安感がたまりません。ヴェリティの不気味な笑みと執拗な存在感も秀逸で、じわじわと精神を侵食されていくような感覚に陥りました。タイトル「ベット・ノワール」の意味が、物語の中盤から終盤にかけてじわりと効いてくるのも素晴らしく、ブラックミラーらしい皮肉と後味の余韻が際立つ一本でした。

ホテル・レヴェリー

かつて名作を数多く手がけた映画制作会社に、新技術「リドリーム」を持ち込む女性キミーが現れる。この技術は俳優の意識を仮想現実の映画世界に送り込み、その中で物語を演じさせるもの。主人公ブランディは長年脇役だったが、リメイク作『ホテル・レヴェリー』で念願の主役を務めることに。白黒映画の世界に入り込み、物語の進行やキャラクターの感情を操作しながら演じるが、次第に仮想世界の住人たちとの関係が変化し、現実と虚構の境界が曖昧になっていく。

感想(ネタバレあり)

映画の中に入り込んで演じるという斬新な設定が大きな魅力で、映画ファンならワクワクする体験を味わえます。白黒映画のノスタルジックな世界観と、そこで繊細に演じられるキャラクターたちの姿が印象的。特に、仮想世界のAIであるクララ(ドロシー)が繰り返し記憶を失いながらも感情の残る様子は、ロマンチックで切なさを感じさせます。ラストの展開は深く考えさせられるものがあり、心に残る作品です。

おもちゃの一種

スーパーで万引き未遂を起こした老人キャメロンは、過去の未解決殺人事件の容疑者として逮捕される。若い頃、革新的なゲーム「スロングレッド」に魅了され、その中に存在する不思議な生命体スロングたちにのめり込んだ彼は、次第に現実とゲームの境界を失い、最終的に脳にゲームを融合させる手術を施す。キャメロンのコードが人間の感情までも書き換え、町中の人々が倒れる中、物語は人類の未来のあり方を問いかける。

感想(ネタバレあり)

ゲームの世界に没入し、自己の存在を失っていく主人公の狂気がゾッとするほど生々しい描写で描かれています。暴力や怒りを消す“アップデート”は平和のようでいて、自我を奪う恐ろしさも感じさせ、進化なのか侵略なのか判断が難しいテーマです。非常に考察を要する難解なエピソードで、好き嫌いが分かれる回ですが、挑戦的なストーリーが好きな方には興味深い内容です。

ユーロジー

孤独なフィリップは、亡き恋人キャロルの追悼式のために没入型の記憶探索サービス「ユーロジー社」から連絡を受ける。装置を装着し、過去の写真の中に入り込むことで記憶を辿るが、キャロルの顔だけはなぜか見えない。やがて彼は過去の後悔やすれ違いに直面し、封印していた真実に向き合うことになる。

感想(ネタバレあり)

ブラックミラーらしい暗さとは一線を画す、心に染みる感動作。忘れたいはずの過去と向き合う主人公の葛藤や、見えなかった真実を再発見する過程が丁寧に描かれています。キャロルの顔が見えない演出が象徴的で、最後にやっとその笑顔が蘇るシーンは胸を打ちます。未来の追悼の形を考えさせられる作品で、深い余韻を残します。

宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ

天才プログラマーの死後、彼が違法に複製した意識たちが閉じ込められたオンラインゲーム「インフィニティ」の中で、ナネットたちは必死に生き延びていた。ゲーム内外での陰謀や暴走が繰り広げられ、ナネットは過去の協力者や敵と再び対峙。果たして彼女は再び現実世界に戻れるのか――。

感想(ネタバレあり)

シリーズ屈指の人気作「カリスター号」の続編だけに、ファンにはたまらない内容。前作のキャラクターの復活や、意外な展開が満載で、細かなネタやギャグ要素も散りばめられていて楽しめました。特にウォルトンの復活は衝撃的かつ笑いを誘うポイントで、全体にブラックミラーらしい皮肉と人間味が融合したハッピーエンドの余韻が心地よいです。続編希望の声が多いのも納得の出来栄えでした。

ブラック・ミラー シーズン7の感想

話数が多いにも関わらず、どの作品もクオリティか高く、良作揃いのシーズンでした。ブラックミラーらしい鬱エンドをはじめ、コメディ要素、ラブロマンスなど作品によりジャンルが様々で、SNSなどを見ても視聴者に刺さる作品がバランスよくバラけているように感じます。

どれも面白かったのですが、私が特に印象に残ったのは、俳優が仮想映画の世界に入り込み物語を演じる独創的な「ホテル・レヴェリー」、じわじわと身の回りの事実が書き換えられる恐怖を体感する「ベット・ノワール」、そして待望の続編「宇宙船カリスター号:インフィニティの中へ」の3作。

全体的に、未来の技術のもたらす希望と危険を巧みに織り交ぜ、ブラックミラーの持つ社会批評性と物語の深さを改めて実感できるシーズンとなっていました。
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