いつもは海ドラ三昧な日々を送っているものの、今回は珍しく映画を鑑賞してみました。鑑賞したのは2018年公開の【シンプル・フェイバー】。
事前情報が全くないまま鑑賞しましたが、なかなか楽しめました。以下、作品情報、あらすじ、ネタバレありの感想と解説を綴っています。
作品情報
公開年
2018年
上映時間
117分
監督・脚本
ポール・フェイグ
原作
ダーシー・ベル
キャスト
アナ・ケンドリック
ブレイク・ライブリー
ヘンリー・ゴールディング 他
予告編
あらすじ
夫を事故で亡くし、保険金とビデオブログの運営で幼い息子マイケルを育てる世話好きママのステファニー。ある日ステファニーはマイケルの友達の母親、エミリーと知り合う。
高級アパレル会社に勤め、家は豪邸、セクシーな元作家の旦那を持つ完璧なエミリー。2人は対照的ながらも次第に仲良くなり、互いの秘密まで教え合う仲に。
そんなある日、エミリーはステファニーに「息子のお迎えをお願い」と頼んだまま突然姿を消す。
解説と感想
以下、ネタバレを大いに含みます。まだ視聴されていない方は視聴後の閲覧をお勧めします。
エミリーの正体
ステファニーの捜索も虚しく、遺体で発見されるエミリー。その後ステファニーはエミリーの夫ショーンと急接近、光の速さでエミリーの家に移り住むことになるも、子供がエミリーの姿を見たと言ったり、クローゼットが勝手に動かされていたりと怪奇現象が多発。
エミリー生存の可能性を疑ったステファニーは彼女の職場に忍び込み、彼女を知る人物に会いに行き、実家にまで侵入する。するとエミリーは偽名で実の名はホープ、フェイスという名の瓜二つの双子の姉がいることが明らかに。
遺体は姉であり、エミリーはやはり生きていると確信するステファニー。
失踪の理由
信仰深い家で生まれ育った双子には、厳しい父親を火事で殺害し逃亡した過去が。逃げ延びるためお互い別々の人生を選んだものの、2人が久しぶりに再会したことが事件の幕開けとなる。
エミリーとは対照的なボロボロの人生を送り、父親殺しを自白すると言い出したフェイス。息子との人生を失いたくない一心で、エミリーは姉を湖で溺れさせ殺害する。
そこでエミリーの頭に思い浮かんだのは、亡き夫の保険金で生活するステファニーの姿。金に困っていたエミリーは夫のショーンと共謀して自身に多額の保険金をかけ、自分が死んだように見せかけて保険金を手にしようとしたのだった。
ラストの展開
夫のショーンとステファニーに過去を知られたエミリーは、2人を殺害するため銃を手に自宅へ。しかしステファニーの返り討ちにあい、警察に連行されていく。車で跳ねられてもなお生ける屍のように地面を這うエミリー、恐ろしや。
ステファニーが返り討ちにした手段は、まさかの自身のビデオブログでエミリーが自白&夫に銃を撃った姿を生配信。ステファニーのビデオブログがこんな形で活かされるとは。
その後ステファニーのビデオブログはフォロワーが急増。元作家のショーンは数年ぶりにヒット作を生み出し、獄中生活を送るエミリーはなんだかんだで刑務所で元気に過ごしているという、ハッピーエンドともとれるラストを迎える。
感想
まずは率直な感想、この手の軽めなスリラー映画は久しぶりだったので意外と楽しめました。あらすじを読んで頭に浮かんだのは夫が突如行方不明になった妻を探すスリラー映画の「ゴーン・ガール」で、実際同作と比較されることが多いようです。
“妻が姿を消す”という設定は確かに同様ですが作風が全く別物で、今作はコメディよりのスリラーといった印象でグロさ怖さは全くなく、軽い気持ちで鑑賞できます。推理というよりぼけーっと何も考えずに見られる感じ。
ティーンからママさんまで、比較的若い世代の女性にハマりやすそうという印象です。
アナ・ケンドリック演じる世話好きなビデオブロガーのステファニーは、空回りしていて周りのママ友からも浮いているような存在。しかし腹違いの兄と禁断の関係を持ったり、夫の殺害疑惑があったりと、コミカルな中に見え隠れするしたたかな部分が妙にリアルで良かった。そうそう、こういう人こそすんごい秘密を抱えていたりするんだよなーって。
最後までわからなかったのは、彼女は結局夫を殺したのか?という謎。回想ではステファニーと義理の兄の関係に勘づいた夫が義理兄を誘って車に乗る→事故という流れだったので、本当にただの事故だったのか。
もしくは夫のみを殺害しようと企てたものの本来殺すはずのない兄も乗ってしまったというオチなのか。個人的にはこっちかなと思っています。
ブレイク・ライヴリー演じるエミリーは彼女のヒット作「ゴシップ・ガール」のセリーナ本人が落ちぶれたみたいな役柄だったので、あのドラマの世代の方は特に楽しめるはず。私もあのドラマが大好きだったので、同じようにオシャレ+破茶滅茶な性格の今作のブレイク・ライヴリーがたまらなかった。
エミリーが殺した姉のフェイスは微妙に顔が違ったので、別人がブレイク・ライヴリーのそっくりメイクをして出演しているのかと思いきや両方とも彼女が演じたそうです。
そして1番の被害者とも言える、ヘンリー・ゴールディング演じるエミリーの夫のショーン。ステファニーと寝たけどエミリーは死んだと思い込んでいたわけだし、実際彼は何も悪いことはしていないので扱いがただただ気の毒でした。
この俳優さんどこかで見た事ある気がすると思っていたら、映画「クレイジー・リッチ!」の主演俳優さんとのこと。とはいえこの作品未鑑賞なので、見た事あったのは映画のサムネイルだったみたい。(面白そうなので今度鑑賞してみようと思います)
ちなみに、タイトルのシンプル・フェイバー(A Simple Favor)とは“ささやかな頼み”という意味です。ささやかな頼み事を引き受けてしまったばかりにこんな事件に巻き込まれることになるとは、何たる皮肉。
最後に…ステファニーがブログブログって連呼するのを、ブログ=文章ってイメージだったから違和感だったんだけど、ビデオだろうが何だろうがウェブ上の記録=ブログなんだよね、そういえば。子持ちの主婦が収入を得る手段がビデオブログ(YouTube)だったことに、なんだか時代の変化を感じてしまいました。
シンプル・フェイバーはNetflix、Amazon prime videoにて配信中です。(2020年7月現在)